【プラスの物語に変える】

コロナ禍となって1年以上が経ちました。
1年前と状況はあまり変わらず、何をするにも、毎回、世の中の状況を鑑み、刻々と
変わる状況に合わせて予定を変更し、万全の感染予防対策をして物事を進める毎日が
続いています。この1年ずっとこのような状況で、もうそろそろ限界だという方もい
らっしゃることでしょう。私の業界などは、それほど深刻な影響を受けているわけでは
ないと思いながらも、さすがにうんざりしてきます。

そんな時に、気持ちを切り替える上で、救いとなるのが、「プラスの物語に変える」
という発想です。とかく、私たちは「今、目の前で起きていること」だけを見て、一
喜一憂することがあります。「こんな酷いことが起きた」という一点だけを見ている
と、ネガティヴな気持ちばかりが湧いきますが、少し広い視点、長い目で見てみると、
気持ちが変わってくることがあります。

例えば、有名なお話では、ノーベル賞を受賞された山中伸弥先生が子ども向けの講演
の中でこんなお話をされています。「自分は研修医時代、手術がとても下手で、指導
医の先生から叱られてばかりいた。自分は整形外科医には向いていないんじゃないか
とずいぶん悩んだが、ここで壁にぶつかったことが研究者という新しい道につながり、
iPS細胞にたどり着いた」。仕事がうまくできず叱られたこと(目の前のマイナスの
体験)だけに視点を当てると、辛い出来事でしかありませんが、その先に続くサクセ
スストーリー(物語)の一場面(通過点)という視点で捉えてみると、目の前の出来
事の意味も変わり、気分が変わってきます。

「この苦労の先に、必ず大きな逆転劇が待っている」、「この辛さがあるからこそ、
成功した時の喜びがいっそう大きくなる」といったイメージが持てるよう、コーチ
は、時に「プラスの物語に変える」声かけをしていきます。「ここから伝説を作りま
しょうよ」、「この体験を後で美談にしましょうよ」といった感じです。

ロールプレイングゲームなどをイメージしてもらっても良いでしょう。主人公がまっ
たく何の試練(障害や敵など)にも遭遇せずゴールにたどり着いても、楽しくも何と
もありません。試練があるからこそ、辛くても楽しく、達成はより大きな喜びとなり
ます。物語の醍醐味は試練を乗り超えるところにあります。将来、この数年間をふり
返った時、「あの体験があったから今がある」と懐かしく思える日が必ず来ると信じ
て、励まし合えたらと思います。

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