【コーチングは教えなくてもできる】

最近は、やり方は一切お伝えせず、体験から入るコーチング講座に大いに成果を感じ
ています。
一言で言うと「教えない講座」です。実際、コーチングをティーチングす
る(教える)ところから入る講座よりも、ずっと的確にコーチングの肝を掴んでいた
だけるのではないかと思うほどです。

例えば、「半年後、あなたはどうなっていたいですか?」といったテーマについて、
ペアになって話してもらいます。話し手、聴き手を決めて、この時間は話し手が自分
の話をし、聴き手はただ聴くというふうに役割を明確にして進めます。この時、特に
聴き方の説明はしません。ただ、「聴き手に徹してください」というお願いだけをし
て体験してもらいます。

5分間など時間を区切って役割を交代し、話し手、聴き手の両方を体験します。この
プロセスをペアを変えて繰り返します。同じテーマであっても、聴いてくれる相手が
違うと、また違った内容が浮かんできたり、繰り返し話すことで、より明確化されたり
といった効果が生まれます。ただこれだけのことでも、話し手、聴き手両方の体験に
おいて、非常に重要な気づきが起きます。

「ただ聴いてもらえることがこんなに嬉しいこととは思わなかった」といった感想か
ら、「話せば話すほど、自分の中に答えがあることがわかってきた」、「共感しよう
とするのではなく、ただ共有したいという気持ちで聴いていたら、口を挟むこともな
く素直に聴けた」、「相手の半年後になっていたい姿を聴いていたら、この人は必ず
達成できるだろうなと思えた」といったコーチングの本質を見事に掴んでいる感想ま
で飛び出します。これが「今日初めてコーチングを体験します」という人の口から出
てくるので驚かされます。やり方にとらわれず、目の前の人の話を尊重して聴くだけ
で、自然とコーチングになっているのです。

「この人は達成できるだろうな」という気持ち(これこそがコーチのあり方です)で
聴くことによって、話し手のほうも、しだいに「なんだか達成できそうな気がしてき
た!」とスイッチが入っていくものです。
じっくり自分の話を聴いてもらった体験がある人は、他の人の話をじっくり聴くこと
ができるようになります。「自分の中に答えがあるんだ」と実感した人は、他の人の
中にも答えがあると信じられるようになります。

そんなに難しいテクニックが必要なわけではありません。話す、聴く体験を各々が安
心してできる場があれば、コーチングは教えなくてもできます。ぜひ、試してみてい
ただけると嬉しく思います。

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