【数字の前に理念】

ここ数年ほど、コーチング研修で関わらせていただいている企業様で、いつも、こち
らが逆に教えていただいていることがあります。
「何のためにこの仕事はあるのか。何のためにこの会社は存在しているのか」
その理念をまず考えることの大切さです。

「そんなの当たり前」と思ってお仕事をされている皆さんには、釈迦に説法な話題で
恐縮ですが、この「当たり前のこと」がどれだけ実践できているかというと、案外、
目の前の仕事に追われて、二の次になっている職場も多いのではないでしょうか。

創業者の「良いものは必ず売れる」という信念の下、起こされたこの企業様では、こ
の想いを忘れないための研修がコーチング研修とともに、コロナ禍においても繰り返
し行われています。目の前の数字を上げることだけを考えていると、とても辛くなり
ます。数字さえ上がれば良いと思うと、顧客のニーズにそわない提案をして、かえっ
て信頼を失うこともあります。たとえ、一時、数字が上がったとしても、顧客のため
になっていなければ、決して長く続くことはありません。

自分の仕事に意義を感じている人は、自ずとやりがいを感じ、モチベーションが高ま
ります。「これをやって何になるんだ?」と思うことをやり続けることほど虚しいこ
とはありません。ましてや、「こんなことをしていて良いのだろうか?」と後ろめた
さを感じるような仕事をしていては、健全な精神や高いモラルは保たれません。

企業研修の仕事をしていて、早く確実に研修効果が上がる企業様には、やはり、崇高
な理念があり、社員の皆さんが、自分事として理念を考える機会を持たれているのだ
と、あらためて得心します。

新年度にあたり、新入社員を迎えられる職場もあるでしょう。「何のためにこの仕事
はあるのか。何のためにこの会社は存在しているのか」を考える機会を、新入社員教
育の中で持たれることを強くおすすめします。
また、日常業務においても、折々に、理念を思い出してもらえるような質問を投
げてかけてみられてはどうでしょうか。

例えば、「あなたがこの仕事をすることによって、喜んでくれる人は誰だろうか?」、
「どんな人の助けにつながっているのだろうか?」、「その人たちのどんなことにこ
の仕事は役立っているだろうか?」、「その人たちにもっと喜んでもらうために、あ
なたは何をしていきたいか?」など、ぜひ一緒に考えてみていただきたいと思います。

すぐに答えが出なくても大丈夫です。正解を早く出すこと以上に、仕事の目的や会社
の理念に意識を向けて考えてもらうことに大きな意義があります。「もっとやる気を
出して目標数字を追え!」と言わなくても、自ら目標達成に向かう社員が育つはずです

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