【厳しく言わなくても人は育つ】

コーチングをお伝えしていると、必ず、言
われることがあります。「そうは言っても、
厳しく言わないといけない時もあるんじゃ
ないですか?」、「やさしく言って聞かせ
るだけじゃあダメなんですよ!」。

もちろん、いろんな考え方、やり方があっ
ていいとは思っていますが、厳しく言って、
効果があるのは、よほどの夢や志があって、
それに向かって日夜ストイックに努力を続
けている人が心から尊敬する人から言われ
る時だけのように思います。

以下の事例をご自身の立場で少しイメージ
してみていただけたらと思います。

「大切なお客様に対して、ちょっとした行
き違いがあり、クレームに発展した。絶対
に怒られると思って、上司に報告に行った
ところ、開口一番、『報告してくれてあり
がとう!私にできることはないかな?クレ
ームをきっかけにご縁が深まることもある。
このピンチをチャンスに変えよう!』と励
まされた」

「新人の頃、まだ不慣れな仕事をたまたま
一人で任され、自分なりに力を尽くしたが、
結局うまくいかず、現場を混乱させてしま
った。先輩にはひどく叱られたが、上司は
黙って状況を聴いてくれた。聴き終わって
『そうか、君は一人でがんばったんだね』
と言ってくれた。叱られても涙は出なかっ
たが、この一言には泣けた。早く一人前に
なりたいと心底思った」

「なかなか目標数字を達成できず、もうこ
の仕事はむいていないんじゃないかと半ば
諦めていた頃、新しくやってきた上司は、
どんなに目標達成できなくても決して責め
なかった。『あなたにはこんな強みがある。
必ずできる。一緒にやろう!』と言い続け
てくれた。自分は自分のことをもう諦めて
いるのに、上司は私のことを決して諦めな
い。この人のために数字を上げたいと思う
ようになった」

コーチング研修をしていると、このような
話にしょっちゅう出会います。逆に、厳し
くされてスイッチが入ったという話は、ほ
とんど聴かなくなりました。平成生まれの
社会人においては皆無です。言い古された
話で恐縮ですが、「北風と太陽」に例える
と、やはり、太陽のほうが圧倒的に人をそ
の気にさせ、成長させています。「厳しく
しないと人は育たない」という幻想はもう
そろそろ手放してもよい時代ではないので
しょうか。

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