【知らせてもらえば納得できる】

先日、クライアントさんから、こんなお話

を聴かせていただきました。

「最近、自分の体調が悪いことを現場のス

タッフには黙ったまま、休みをとって病院

に行ったり、出張を断ったりしていたら、

スタッフとの人間関係が悪くなってしまっ

たんですよ。無駄に心配かけたくないと思

ったんですけど。開き直って、正直に話し

たところ、かえって、みんながんばってく

れるようになったんです。こんなことがモ

チベーションにつながるのかとびっくりし

ましたよ」というお話でした。

 

企業研修の中で、社員の皆さんから、職場

の不平不満や愚痴を聴かせていただくこと

が折々あります。よくよく聴いていると、

十分に情報が伝わっていないことから来る

不信感や不安が圧倒的に多いのです。

 

「どうして今、この時期の人事異動なのか

?」、「なぜ、急にこれまでの方針が変わ

るのか?」十分な説明がなされないまま、

指示や変更だけが伝えられると、現場の皆

さんは戸惑ってしまいます。そこから不満

が生まれます。

 

「また急な変更があるんじゃないかと思う

と、今後の段取りの見通しが立たず困りま

す」、「何のためにやらなければならない

のか、理由がわからないのでやる気になれ

ません」といった声につながります。

 

「こんなお声が研修であがっていましたよ」

と経営サイド、人事サイドに確認してみる

と、やはり、悪気があってのことではない

とわかります。会社がより良い方向に行く

ために、社員の働きやすさや気持ちを考慮

したが故に、こういう決断に至ったという

ことばかりです。

 

「その想いを現場の皆さんには説明されな

いのでしょうか?」と訊ねてみると、

「かえって不信感を与えたくないので」と

か、「そこまで言わなくてもわかってもら

えると思ったので」といったお答えが返っ

てきます。

 

背景や意図、想いを十分に伝えず、結果だ

け、「今後はこうするから」と言われても、

現場は納得できず、かえって混乱します。

知らせてもらえば納得する、事情がわかれ

ば対処できるという社員は案外多いもので

す。

 

コーチングにおいては、確かに、多くを説

明し過ぎず、自分たちで考えてみるよう促

すことが効果的だと言いますが、ビジョン

や意図に限らず、実際に起きている状況を

伝えることは惜しんではいけないように思

います。包み隠さず伝えることが本当に良

いことなのかと感じる人もいるかもしれま

せんが、相手を信じて、真意を伝えた方が

よほど相手のモチベーションや帰属意識に

つながるのではないか、もったいないなあ

と、外から見ていると、もどかしく思いま

す。

 

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