【自分が源泉】

「伸びる人材とはどんな人か?」 という

テーマで、研修中にディスカッションをし

ていただくことがあります。「前向きな人」、

「自ら考え行動できる人」など、多くの要

素が出てきます。その中で、時々、「環境

に恵まれている人」、「良い指導者に出会

えた人」といった項目が挙がります。

 

間違っているとは思いません。そういう人

は確かにいます。では、そういう人である

ために、その人自身は、どんなことをして

いる人なのでしょうか。たまたま、環境や

指導者に恵まれたのでしょうか。自分の成

長や成功を外的要因しだいだと考えてしま

うと、「環境に恵まれないから成長できな

い」、「良い指導者がいないから成長でき

ない」といった他責の発想になりがちです。

 

自分の外側は、残念ながら、コントロール

できません。良い環境や良い指導者も、た

またま現れるわけではなく、その人が引き

寄せていると考えたらどうでしょうか。ど

んな人だったら、良い環境、良い指導者を

引き寄せられるのでしょうか。やはり、物

事を前向きにとらえ、建設的に思考、行動

することで、自然と良い環境も人脈も引き

寄せていけるものではないでしょうか。

 

もちろん、自分ではコントロールできない

ことはたくさんあります。人事異動や仕事

の役割分担もそうかもしれません。しかし、

「自分が源泉なのだ」と考えて、自分がで

きることに精一杯取り組む人にこそ、コン

トロールできないはずのものが味方をして

くれるようになっていくのではないでしょ

うか。

 

時々、「コーチングでは叱らないんですよ

ね。ほめるんですよね。仏のようなコミュ

ニケーションですね」と言われることがあ

りますが、私は、一面とても厳しいコミュ

ニケーションだと思っています。なぜなら、

自分ができないこと、やらないことを、決

して、外的要因のせいにさせないように関

わり続けるコミュニケーションだからです。

 

「この人がこう言うからできないんです」

「そうですか。では、あなたがどんな伝え

方をしたら、その人を説得できるでしょう

か?」

 

「今回は、こんなアクシデントが起きてし

まったので、もう無理です!」

「そうなんですね。では、今の状況から最

善の解決に結び付けるために、今、あなた

ができることは何ですか?」

 

その人自身が、「自分は何ができるか?」

という問いと向き合い続けるよう、コーチ

は関わります。自分以外の誰かや何かのせ

いにしたところで、何も解決しないからで

す。コーチングとは、相手の可能性を信じ

ながら、「自分が源泉である」というとこ

ろから、相手を絶対に降ろさない、そんな

厳格なコミュニケーションだと私は思って

います。

 

 

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