【スキャンするように観察する】

今年3月、スウェーデンで受けてきた研修を、ぜひ日本でも!ということで、

連休明けに、オランダからコーチ陣を招いて、北海道では、札幌のキャンプ

場で開催しました。日本初開催の研修に、チャレンジ精神旺盛な参加者が、

全国から集まってくれました。 

 

今回の参加者は全員、私の知り合いで、長い人はもう10年以上のお付き合い

になります。2泊3日の研修期間中に、かつてないほどに、変革していく皆さ

んの姿を見て、本当に驚かされました。

10年も付き合っていて初めて見る顔、初めて聴く言葉がありました。

 

 どうして、2?3日という短い時間で、そんなことができてしまうのだろう?

 

感動とともに、嫉妬すら覚えるほどでした。言葉の壁をものともせず、その

人の課題の本質に切り込んでいくオランダ人コーチたちの質問や言葉かけに

は、感嘆するばかりでした。

 

そこで気づいたことは、コーチたちは、実によく一人ひとりの参加者を観察し

ているということです。

「あの時、あなたはこういう言葉を使った」とか「この質問をした時に、あ

なたは身体を後ろに引いた」など、細部にわたって覚えていて、そこから、

本人の本音や課題を引き出していくのです。短時間で、よくそこまで見てい

るなあと驚かされました。

 

 実際、「相手をいつもスキャンするように観察している」と話していました。

「この人のこの言葉は、どんな背景から生まれているのか?どんな価値観か

ら、この行動を選択しているのか?」という観点でじっくり観察するのだそ

うです。

 

 「その行動をとるその人の背景や考え方にアプローチしなければ、行動は変

わらない」と言うのです。これには、私もまったく同感です。例えば、「嘘

をつく」などの問題行動に対して、単に「嘘をつかない」よう行動を変える

働きかけだけでは効果は不十分です。

なぜ、「嘘をつく」という行動をとってしまうのか、その人の背景や想い、

考え方にまで耳を傾け、そこに働きかけなければ、根本的な課題解決には至

りません。

 

「こういう体験があったから、嘘をつくことで、自分を守ろうとしてしまう

んだな。でも、ここではもうその必要はないんだな」と本人が気づけば、行

動変革が起きます。

  

表面的に語られる言葉だけを聴くのではなく、言葉の裏にあるその人の背景

までスキャンするように聴く。そして、

本人さえも気づいていない部分を見極め、引き出していくコーチングの真髄

を見た気がしました。オランダ人コーチは、通訳なしには日本語がわからな

いからこそ、相手の表情や姿勢など非言語コミュニケーションから得られる

情報にも、よりアンテナを立てているのだと思いますが、この観察力は見習

うべきものがあると感じました。

 

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