【抵抗を感じる言葉】

先日、久しぶりに会ったコーチの大先輩が、

管理職時代の自分の失敗体験を話してくれ

ました。「新しい部署に異動になった時に、

2ヶ月間、誰も口をきいてくれないことが

あって、あれはなかなか辛かった。辛抱強

く声をかけて関わっていくうちに、しだい

に、心を開いてもらえるようになったんだ

けど、そうなってから初めて、職場のベテ

ランの人から教えてもらえたことがあった

んだ。その人は私にこう言ったんだ」

 

「『あなたが、うちの職場に異動してきた

時の最初の挨拶、そもそも、あれがまずか

ったんですよ』と。自分には、まったく思

いあたることがなかったんだけどね、どう

やら、私は『これから、私と一緒に力を合

わせて変わっていきましょう!』というよ

うなこと言ったらしい。『変わりましょう』

という言葉は、確かに前向きな言葉ではあ

るけれど、『今の君たちではダメだ』と、

目の前の相手を否定する言葉だと言われて、

『なるほど!』と思ったね。まだ、現場を

知らない新任の上司から、いきなりダメ出

しされたと感じたら、口もききたくないと

思うのは仕方がなかったのかもしれない」

 

「だから、今でも、コーチング研修をする

時は、『部下指導の方法をティーチングか

らコーチングに変えていきましょう』とは

言わないようにしているんだよ。相手は、

これまでの自分を否定されたと思って、抵

抗を覚える言葉だから。『これまでのやり

方に、もう一つ使えるツールを加えていき

ましょう』という言い方をしているかな」

 

 

この話には、私も、あらためて、思い当た

ることが多々あり、非常に考えさせられま

した。こちらは、よかれと思って、いや、

むしろ、相手を力づけるつもりで使った言

葉なのに、相手は「あなたのやり方はまち

がっている」と言われたと思ってしまうこ

とが、実際にあるように思います。「変わ

りましょう」、「変えていきましょう」と

言う前に、これまでの過程や現在の心情を

認める言葉をかけることも忘れてはならな

いのです。

 

 

特に、何か新しい方法を導入する時や今ま

でとは違うやり方でやってみるよう促す時

などに、意識したいことです。私自身も

「コーチングは初めてです」という方にコ

ーチングをお伝えする時、気をつけていき

たいなと感じたエピソードでした。

 

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