【組織が最も優先すべきこと】

今年も、オランダの教育現場の視察に行っ

てきました。コーチングの考え方や手法が

根底にあるオランダの教育は、私には非常

に興味深く、数年前から、現地に出向いて

研究しています。

 

 時間割がない、テストも受験もない、学び

たいことを子どもが自ら選ぶ、学習計画も

評価も子ども自身が行うなど、学校によっ

て、多種多様な教育方法が採り入れられて

おり、衝撃の連続ですが、今回は特に、学

校経営のあり方について、大いに感銘をう

ける学校にうかがうことができました。

 

この小学校は、かつては、他責にする先生

たちばかりで、保護者から持ちこまれる課

題も多く、ゆとりがない状態だったそうで

す。外部から、コーチを招いて、学校の

「内部コンパス」を作る作業に取り組みま

した。「内部コンパス」とは、学校のビジ

ョン、ミッション、価値観のこと。どんな

学校を目指すのか、何を大切にする学校で

あるのかについて、校長先生以下、全員の

先生で話し合いました。

 

さらに、これらを各教室で実践するには、

具体的にどうするのか?これも先生たちで

考えました。明確化した理念と行動を絵や

キャラクターにしてビジュアル化しました。

子どもや保護者にもわかるように、学校の

あちこちに掲示しました。そのことによっ

て、この学校に必要なものと必要でないも

のが振り分けられるようになり、無駄な仕

事が減って、先生たちにゆとりが生まれた

そうです。

 

確かに、このようなことに、日本でも取り

組んでいる組織はたくさんあると思います

が、どれだけ全員が自分事として取り組め

ているでしょうか。

 

学校の「内部コンパス」を作るのには、半

年程の時間がかかったそうです。

「他の業務もある中で、これらの時間を捻

出することは大変だったのでは?」とうか

がうと、「これは、教員にとっては、優先

順位の高い仕事ですから、まず時間をかけ

て取り組む必要があるのです」との答えが

返ってきました。考えてみたら、まったく

おっしゃる通りです。

 

 

本来なら、組織の理念や理念に基づく行動

 

を明確化し、全員が同意することで、仕事

もぐっと効率化するはずなのに、そんなこ

とを話し合っている暇もないとされている

ことが、日本では多々あるように感じます。

 

組織がまず優先すべきことは何なのか、大

切な軸を全員で考え、合意することの重要

性、そのことによってもたらされる効果に

ついて、再認識する機会となりました。

「当たり前と言えば当たり前」のことを、

決してないがしろにせず、徹底して取り組

み、成果を出すところにオランダのすばら

しさを感じます。

 

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