【ビジョンを聴いていますか?】

管理職やリーダー対象のコーチング研修の中で、お互いにコーチングをし合っていただく場面がよくあります。
その様子をそばで聴いていると、現状をたずねる質問ばかりしているコーチ役が実に多いことに気づかされます。

「それで、今はどういう状況ですか?」
「チームのメンバーは何名ですか?」
「どれぐらいの時間がかかっているのですか?」
「それは、誰が担当しているのですか?」
「この部分は、どうやっているのですか?」
「なぜ、やっていないのですか?」

声のトーンがどんなに穏やかであっても、これでは、まるで事情聴取のような印象です。
もっと、次への行動ややる気を引き出すような質問もしていただきたいのですが、どうして事情聴取になってしまうのだろう?と疑問に思っていました。

先日、ある方の話を聴いていて、その謎が解けました。
ある方とは、このコラムでも、以前、少しご紹介しました「不登校の子どもたちをコーチング・アプローチによって、どんどん学校に復帰させている先生」です。この先生は、折々に、次のような質問を書いた紙を渡して、子どもたちに考えるよう促しているそうです。

「3月に、どんな自分になっていたいですか?」
「学習について、1年後どうなっていたらいいと思いますか?」
「その目標が達成されたら、どうなりますか?」

現状を聴くよりも、ビジョンを聴く質問だということに気づかされます。
先生はおっしゃいます。「指導者側が、相手の現状だけを見ていると、『こうしたら、ああしたら』と指導したくなりますが、この子が『こうなりたい』と自分で気づいたら、指導しなくても勝手に動き始めることがわかってきました」。

相手に、何かアドバイスをしようとするから、つい、現状ばかりを聴いてしまうのではないでしょうか。
コーチ側が、相手の課題を自分で解決しようとしてはいないでしょうか。

相手が「こうなりたい」と思えるような質問をもっと投げかけてみたら、コーチングの効果もより上がるように思います。
ビジョンをたずねる質問をもっと増やしてみませんか。

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